【ラスティ・ラビット】過去も、娘も、自分自身も掘り起こすアクションゲーム【レビュー】

レビュー
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ジャンル2.5Dサイドスクロールアクション
ハードPC/Steam、Switch、PS5、
※Steam版でプレイ済
発売日2025年4月17日
発売元SoFun
開発元NITRO PLUS
プレイ時間20時間(ストーリークリア)
27時間(実績コンプ)

ラスティ・ラビット とは?

『Rusty Rabbit(ラスティ・ラビット)』は、虚淵玄が原案・脚本を務める2.5Dサイドスクロールアクションゲームです。

人類が居なくなった後の地球で、文明を築いた“ウサギ”たち。プレイヤーは中年のウサギ「スタンプ」となり、愛機「ポンコツ」を操りながら、巨大遺跡「エントツ山」を掘り進んでいきます。

遺跡の中に点在する古代の情報端末「ディータム」を通じて、別れた娘に繋がる手がかりや、世界の隠された歴史が少しずつ明かされていきます。スタンプは、遺跡を掘ることで「過去」を掘り起こしていきます。表面は軽妙な会話やドタバタ劇が多いですが、重厚な文章と魅力的なキャラとボイスが織りなすシリアスな物語がしっかりと土台にあります。非常にストーリー重視の探索アクションゲームです。

良かった点

ストーリーや文章 -軽妙でシリアス、その絶妙な緩急-

本作最大の魅力は、情報端末を通じて語られる世界設定やスタンプたちの軽妙かつビターな会話劇です。文章量はアクションゲームとして多めですが、非常に読みやすく面白いです。

内容としては、基本的にはユーモラスなやり取りが序盤は多いですが、後半になるにつれてシリアスな展開になります。「笑いながら心を抉られる」体験が、味わえます。

キャラクターと世界観 –ハードボイルドな兎と愉快な兎たち-

スタンプは、単なる「渋いオジサン」ではないです。非常に不器用な生き様を持った存在です。この主人公が本当にハードボイルドで魅力的です。

また、彼を取り巻く個性的なキャラクターたちもまた、魅力的です。特に道中で出会うB.B.団という団体はユーモラスながらも、話の展開に一役買っているキャラクター達です。B.B.団は一見間抜けで騒がしい存在ですが、それぞれに事情を抱えており、物語の進行に意外な重みを与えます。

気になる点

戦闘の単調さ/アクションの少なさ

攻撃としては採掘系のドリル、射撃系の銃、斬撃系のナタ、打撃系のハンマーによる攻撃が基本です。この4種類のウェポンを使いますが、全体的にアクションバリエーションは乏しいです。各ウェポンはクラフトで強くなりますが、後半にかけても大きな戦闘の進化はないです。アクションゲームとしての爽快感を求めると物足りなさを感じるかもしれないです。

読み物が多い

ストーリー重視の設計上、情報端末や会話イベントなど、テキストを読む時間が長いです。サクサク進めたいプレイヤーにはややテンポが悪く感じられる可能性があります。

ただ、テキストそのものの質は高いため、”読むこと自体を楽しめるか”が重要な分かれ目となると思います。

メトロイドヴァニアとして見ると

『ラスティ・ラビット』は公式では、あまりメトロイドヴァニアとして押し出していないです。ですが、「メトロイドヴァニア」な面もありますので、そちらを重視して見ると拍子抜けな面があります。

このジャンルに求められるのは、スキルや装備を獲得しながら行動範囲を広げ、探索を深めていく「成長実感」はあると思います。ですが、本作ではそれがあまり感じられないです。それは、アクションとして何か要素が増えることが少ないためです。例えばあるブロックを壊すのに、今より上位のウェポンをクラフトすることが中心であり、それはアクションが増えるわけではありません。

あくまで、じっくりと”世界そのものを掘り進む”感覚のゲームです。

まとめ

おすすめ度★★★★☆

魅力的なキャラと渋い物語。ただ、アクションとしては爽快さに欠く──それでも、掘る価値は十分にある

  • おすすめする人
    • ハードボイルドな世界観が好きな人
    • ストーリー/サブストーリーの文章を読み込める人
    • メトロイドヴァニアで”成長”よりも”物語”を求める人
  • おすすめしない人
    • 本格的なアクションを求める人
    • スピーディなゲーム進行を求める人
    • テキスト中心の構成にストレスを感じる人

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