
ジャンル | RPG |
ハード | PC/Steam、Switch、PS5/PS4 ※Steam版でプレイ済 |
発売日 | 2025年9月26日 |
発売元 | KOEI TECMO GAMES CO., LTD. |
開発元 | KOEI TECMO GAMES CO., LTD. |
プレイ時間 | 35時間 |
紅の錬金術士と白の守護者 〜レスレリアーナのアトリエ〜 とは?

『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』は、コーエーテクモゲームスのガストブランドが手がける『アトリエ』シリーズの新作RPGであり、ソーシャルゲーム『レスレリアーナのアトリエ』の派生作品です。
本作は『レスレリアーナのアトリエ』の世界観と同じスピンオフ作品として制作されていまが、独立して楽しめる作品になっています。実際、私はソーシャルゲームの方は少ししかプレイしていませんが、こちらをプレイしていなくても問題なく楽しめる構成になっていました。
物語の中心にいるのは二人の男女の主人公『リアス・アイトライゼ』と『スレイ・クロスリッター』です。大筋の物語としては錬金術のことを全く知らない主人公たちが故郷である街の復興を目指すものです。また、本作の大きな特徴として歴代アトリエシリーズのキャラクターが登場します。ソフィー、ライザ、トトリ、ロジーなど、ファンにはたまらないです。ファンにとっては“あの時のキャラクターが、成長している”という感覚が得られます。そして初めてアトリエシリーズに触れるプレイヤーでも、アトリエというシリーズの人間的なあたたかさを自然に理解できます。
ソーシャルゲームの派生作品として名前で損していると思っていますが、王道なアトリエシリーズの作品です。
良かった点
キャラクターと物語 -お祭り感とニヤニヤできる主人公カップル-



アトリエシリーズにしては珍しい、男女ダブル主人公です。リアスは天真爛漫でエネルギッシュ、スレイは落ち着いて理知的ですが、プレイを進めるほど“噛み合っていく”関係が心地よいです。
恋愛要素も感じさせ、2人の関係に“ニヤッ”とする瞬間が多いです。
さらに、ライザやソフィーなど過去作キャラが登場することで、ストーリー全体に「お祭り感」と「歴史のつながり」が生まれています。思わず笑顔になる構成です。
実は奥深い調合 -色をつなげる-


調合はシリーズ伝統の核ですが、今回は「ギフトカラー」を使ったシステムです。素材の“色”をつなぎ、特性を継承させる仕組みになっています。
調合それ自体は簡単ですが、理想の特性を付けるとなると難しい部分があります。やり込むと素材の順序・組み合わせの妙が出てくる感じです。
この色をつなげるシステムは、調合以外にもお店経営時の商品を並べる際にも同様に扱われています。面倒そうに感じるかもしれませんが、選択できるアイテム一覧が色を繋げられるようにソートすることも可能なため意外とサクサク選べます。
便利なミニマップ

マップ設計は広大すぎず、探索しやすいスケール感です。また、ミニマップに宝箱・依頼に関係するポイントが整理されており、サクサクと進められる設計になっていました。全体的に落ち着いた色調で見やすく、変に疲れない点も良かったです。
気になる点
お店経営やクエストはゆるい
お店の経営要素やサブクエストは、やや簡素でした。簡単に資金調達できる点は良かったですが、お店経営も戦略性が少なく、「続けたい!」と思うほどの奥行きは感じませんでした。受注できるクエストも本当にただのお使い感がありました。たまに歴代のアトリエシリーズの錬金術師が現れ、依頼するクエストはそのキャラクターとの絡みがある分楽しかったです。
ゆるいと言いましたが、ストレスなく日常を味わう設計ともいえます。
街の発展は楽しいが、物足りない
街が成長していく描写は魅力的で、序盤から“自分の手で世界を明るくしていく”実感があります。ただ、発展の演出や発展した際の恩恵は控えめでした。もっと節目節目で“変化を感じる描写”があればより没入できたかもしれません。
序盤、中盤、終盤のそれぞれの面白さ
序盤は、リアスとスレイの出会いと街の再建というワクワク感を感じさせました。小さな前進の連続で楽しいです。
中盤では、歴代キャラたちとの交流や信頼の積み重ねにより、物語が少しずつ熱を帯びていきます。謎が少しずつ回収されていく点や調合できるものが増えてきてアトリエシリーズの楽しさを実感できます。
そして、終盤では信頼を積み重ねてきた仲間たちとのやり取り、謎が回収されていく物語。クライマックスにかけて盛り上がっていきます。心がじんわり温まる読後感を残してくれました。
まとめ
おすすめ度 | ★★★★☆ |
タイトルで損しているが、中身は昔ながらのアトリエ!
- おすすめする人
- アトリエシリーズをプレイしてきた人
- 穏やかな人間関係や信頼を中心として物語が好きな人
- キャラクラーのビジュアルにハマった人
- おすすめしない人
- スピード感や刺激を重視するタイプのRPG好き
- アクション重視のテンポを求める人
コメント
お疲れ様でした。
(毎月2桁万円課金するような熱心なアトリエファン以外からは)酷評されているソシャゲのスピンオフということで、購入を見送った人が残念ながらかなり多くなってしまいましたね。
ファミ通での初動は、同じく酷評されているユミアの1/3程度の売上に留まっていますし…。
最終的な売上も微妙なラインになってしまうと思われます。
アーランドとか不思議あたりに回帰するような、懐かしさもあり悪くない作品には仕上がっていたように感じます。
ただ、値段を考えるとボリューム不足感は否めないかな…。
素材の多くはソシャゲの流用でコストカットされていますから、その分紅白としてのシナリオの分厚さ、やりこみ要素とかがもっとあっても良かったかなとは感じます。
ソシャゲの売上がかなり苦しいらしいので、思ったより開発原資がなかったのかもですが…。
(フルボイスが売りだったのに、ボイスレスなイベント内でメインシナリオ相当の話を進めるようになっちゃいましたからね。天井引き上げなんていう前代未聞の改悪を入れた上で新キャラはインフレし続け、更に水着=エロ路線に回帰っていう…)
とにかくソシャゲの悪影響が響いた感じ。
そのソシャゲも年内(ライザ完全版発売後)にサ終宣言では?って噂が出てきてますからね。
それがなければライザみたいな売れ方はしなくても、「こんなアトリエをやりたかった」ってアトリエ好きに愛されるゲームには出来たと思ってます。
故に、色々と残念で勿体ない、そんな作品だなーと思います。
コメントありがとうございます!
本当におっしゃる通りで、ソシャゲ版の印象で敬遠されていそうなのは惜しいですね。
前作の「ユミアのアトリエ」が”冒険”だとしたら、「紅白レスレリ」は”継承”と感じました。歴代アトリエを遊んできた方ほど、今作を好ましく思うのではないかと思います。ボリューム不足も確かに感じましたので、もう少し余裕があればさらに深く描けた作品になっていたかもしれません。
それでも、「ユミアのアトリエ」のように新しい試みを行いつつ、「紅白レスレリ」のようにこれまでを大切にした作品も生まれているのは嬉しいです。
“変化”と“継承”の両方を感じられる今のアトリエシリーズは個人的に楽しみにしています。