【Inverted Angel】おしゃれな言い回しと自由な推理を楽しもう【レビュー】

レビュー
この記事は約3分で読めます。
© SCIKA
ジャンルアドベンチャー
ハードPC/Steam
発売日2024年7月5日
発売元SCIKA
開発元SCIKA
プレイ時間6時間

Inverted Angel とは?

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インターフォン越しに聞こえるのは、「恋人」と告げる知らない女性の声。
彼女はストーカーか、それとも本当に恋人なのか。
彼女の正体を探るために、あなたは話を合わせながら少しずつ違和感を見つけ出す。
あなたが入力した推理が”だいたいのニュアンス”で判定され、物語の結末を変える、新鮮な体験を提供するゲームです。

良かった点

ゲームシステム -あなたの自由な推測が物語を分岐する-

あなたの推測によって、物語が分岐します。それは、選択肢という枠組みには収まらず、自由記述です。彼女をストーカーと推測すると、あなたと彼女の対話はそのようになります。
リアルタイムに対話が作られるわけではないので、不自然すぎる入力は受け付けませんが、自分の好きなような選択ができます。

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例えば、彼女を「旧友」と推測するとゲーム側で「過去に仲が良かった誰か」と判定して進めるか、を聞いてきます。

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例えば、彼女を「鉛筆」と推測すると不自然すぎる内容ですので、その入力は拒否されます。
つまり、AIがプレイヤーの入力を判定して想定したストーリーに分岐します。これによって、シナリオ上の破綻が起こらないようになっています。

没入感 -自由入力✕推理=”最高”-

ゲームシステムとして基本的に選択肢というものがなく、自由に記述します。これが推理ゲームとして、非常にマッチしています。あなたと彼女の対話によって生まれた違和感から言葉にしましょう。選択肢はないのですから、ぶっ飛んだ考え方をしても良いかもしれませんよ。もしかしたら、それが物語の終着につながるかもしれません。
このように受動的に選択肢を選んでいるわけではなく、能動的に選択するため没入感がすごいです。後で語る演出もあいまって素晴らしいです。

演出効果 -おしゃれな言い回しと描写に心揺さぶられる-

このゲームは彼女との対話によって成り立っています。ラブラブというより、哲学チックな話で知的好奇心をくすぐられます。そんな中、彼女が発するワードのセンスはずば抜けています。以下はネタバレにならない中で、私の好きなワードを抽出したものです。

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現実的じゃない現実を探しに行こうよ

耳あたりの良い表現です。言葉のリズム感も良く、矛盾のようでいて哲学的なニュアンスがあります。プレイヤーの想像力をかき立てられます。

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血液を全部抜いてさ、キャラメルラテを流し込もうよ

ゾワッとする表現です。「血液」というシリアスな単語、「キャラメルラテ」という甘い単語がかけ合わさって彼女の個性が一瞬で伝わります。

気になる点

少しのホラー要素

ストーリーの展開上、それが良いスパイスであることは重々承知していますが、ジャンプスケア要素が少しあるのでビビってしまいます。なんとなく察することは出来るので、ジャンプスケアが少し嫌い程度ならば問題ないと思います。

バックログが少し面倒

ゲームシステムが自由記述のため、作中に出てきた単語をログを見て確認することがそれなりにあります。しかし、過去の内容をスクロールして探すしかないので少し面倒に感じました。だからといって、キーワードやアイテム等があるとせっかくの自由記述の良さが無くなるので難しいところです。腰を据えて、取り組めば特に問題ないと思います。

まとめ

おすすめ度★★★★★

ゲームシステムとシナリオ、演出が上手くかけ合わさったADVゲーム。

  • おすすめする人
    • 哲学的なテーマや自由な推理を楽しみたい人
    • 新しい体験を求めている人
  • おすすめしない人
    • 頭を使うことが嫌いな人

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