【CATO: Buttered Cat】猫とバタートーストが導く、浮遊感あふれる知的パズル体験【レビュー】

レビュー
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ジャンルパズルアクション
ハードPC/Steam、Switch、PS5、
※PS5版でプレイ済
発売日2024年9月6日(Steam版)
2025年5月1日(他機種)
発売元GCORES PUBLISHING
開発元Team Woll
プレイ時間11時間

CATO とは?

『CATO: Buttered Cat』は、2Dパズルアクションゲームです。プレイヤーは“猫”“バタートースト”を操作し、ユニークな物理演算とギミックで構成されたステージを攻略していきます。
本作の発想の源は、ネットで有名なジョーク理論「バター猫のパラドックス」──「猫は常に足から着地し、バタートーストは常にバター面を下にして落ちる。ならば猫の背中にバター面を下にしたトーストをくくりつけたらどうなる?」という思考実験です。このパラドックスを“猫”“バタートースト”が合体すれば、“無限に浮遊できる存在”として昇華し、ゲームの根幹に据えた点が本作最大の魅力です。

良かった点

秀逸なコンセプト -有名なジョーク理論とゲーム性の融合-

本作で最も魅力的なのは、有名なジョーク理論とゲーム性の完璧な融合です。猫とトーストは別々の特性を持ち、使い分けることが求められます。トーストは跳ね返りながらジャンプし、猫は細い通路を進んだり、トーストと合体して“バター猫”になると空中で浮遊できます。この浮遊感が非常に気持ちよく、独自の操作感を生んでいます。パズルアクションゲームとしても、非常に親和性が取れています。

ステージ構成 -バリエーション豊富なギミックと解法-

まず、ステージ数は140以上、さらにサイドステージが60以上とボリュームは十分です。序盤はシンプルな導線に沿って進み、ステージを進むにつれてギミックが増え、かつ2キャラを同時に扱う複雑な展開、トーストの跳ね返り角度を利用したアクション性が高まります。

操作性の良さ -ストレスがないレスポンス-

猫とトーストの操作は切り替えることなく、単純に操作するボタンが異なるのみです。そしてレスポンスは非常によくスピーディーで、操作感にストレスがないです。どちらのキャラも物理挙動がしっかり作り込まれており、「触っていて気持ちいい」と思える感覚があります。

気になる点

驚くギミックは少ない

昨今のパズルアクションゲームでは、「思わず声が出るような新ギミック」や「予想外の演出」で驚かせるタイプの構成も多いですが、本作はそうした“サプライズ性”は控えめです。ギミックの配置は丁寧で、破綻のない作りになっている一方で、見た目や構造における大きなインパクトを期待するとやや物足りなさを覚えるかもしれないです。

パズルゲームのヒント設計

本ゲームのヒント設計は秀逸です。もちろん、ヒントなしでクリアするというのはゲーマーとしてのプライドとの相談にはなりますが、本作は単に「正解を教える」のではなく、「正しい操作をすれば自然と導かれる場所にキャラクターが表示される」設計になっています。

このアプローチは、パズルゲームとしての解法を全て教えて作業感を強める形になっておらず、かつ、そこまでキャラクターを導くまではどうしていこうという、段階的に思考を深めるきっかけになります。もちろん、ヒントなしで解いたときには及ばないが、気づいた時の快感は得られる設計と言えると思います。

まとめ

おすすめ度★★★★★

キャッチーな設定に、誠実な設計。驚きは少なくとも、遊びごたえは確か。

  • おすすめする人
    • ネタから生まれたアイデアゲームに惹かれる人
    • システムに独自性があるパズルゲームを探している人
    • 猫、ピクセルアートが好きな人
    • 操作していて気持ちいいパズルを遊びたい人
  • おすすめしない人
    • ゲームにストーリー性や感情の動きを重視する人
    • リトライを繰り返すタイプのパズルに疲れやすい人
    • シリアスで重厚な世界観を求めている人

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